犬の歯の健康を守ろう!歯磨きが苦手な犬への対処方法

犬の歯の健康を守ろう!歯磨きが苦手な犬への対処方法

犬の歯は健康な生活をおくるために大切な役割を担っています。

歯の状態が悪いと食事がとりづらいだけでなく、健康を損なってしまう可能性もあるのです。

口内環境を保つためには歯磨きが大切ですが、思うようにみがかせてくれない犬も多いのではないでしょうか。

今回は犬の歯の健康を維持するために必要な知識や、歯磨きが苦手な犬への対処方法などご紹介します。

犬の歯の本数と役割

犬の歯も人間と同じように乳歯と永久歯があります。歯が生え変わる時期や歯の構造を理解しておくことは正しいケアにもつながります。

犬の歯は何本あるの?

犬の乳歯は28本、永久歯は42本

犬の乳歯は生後20日頃から生え始め生後2ヶ月頃には生えそろいます。

そして乳歯は生後4ヶ月~6ヶ月頃から生え変わりはじめ、生後6ヶ月~1歳頃には永久歯が生えそろいます。

犬の歯は人間と同じで一生に1回しか生え変わりません。永久歯が抜けてしまうと新しく生えてこないので大切にケアしないといけませんね。

乳歯遺残について

乳歯遺残とは抜けるはずの乳歯が残ってしまい、永久歯と重なって生えている状態のことです。

特に小型犬にみられることが多く、口内環境に次のような悪影響を及ぼします。

  • 歯並びが悪くなる
  • 口腔内の粘膜を傷つける
  • 歯垢や歯石がたまりやすくなる

このようなことにならないために1歳を過ぎても乳歯が残っているようなら抜歯する必要があります。

犬の歯の構造と役割

犬の歯は「切歯」「犬歯」「前臼歯」「後臼歯」で構成されています。それぞれどんな役割があるのか見ていきましょう。

犬の歯の構造と役割

切歯

歯列の一番前に上下各6本あり、食べ物を噛み切りる役割があります。毛づくろいをするときもこの歯をつかいます。

犬歯

切歯の両側に上下各2本あり、最も長くとがった歯です。獲物に噛みついたり、肉を引きちぎったりします。

前臼歯

前臼歯は上下各8本あり、食べ物をハサミのように細かく引き裂く役割をもちます。

後臼歯

後臼歯は上に4本下に6本あり、細かくなった食べ物をさらにすりつぶし、胃で消化しやすいようにする役割があります。

犬の歯は虫歯になりにくく歯周病になりやすい

犬の歯は虫歯になりにくいと言われており、その理由は主に3つあります。

犬が虫歯になりにくい理由

①犬の唾液はアルカリ性

虫歯の原因となる虫歯菌は弱酸性の環境を好みます。しかし犬の唾液はアルカリ性のため虫歯菌が繁殖しづらい環境なのです。

②犬の口の中は糖分が少ない

虫歯菌は糖分を栄養源として繁殖します。

人の唾液には「アミラーゼ」という酵素があり、炭水化物を分解し口の中で糖分を作るのですが、犬の唾液にはアミラーゼがありません。そのため犬の口の中には糖分が少ないのです。

③歯の形

犬の歯はすべて薄くて尖った形をしています。それに歯の隙間も広いため、虫歯菌がたまりにくくなっています。

犬が虫歯になりにくいことはわかりましたが、だからといって歯磨きを怠るのはよくありません。

なぜなら犬は虫歯になりにくい代わりに歯周病になりやすいからです。

犬が歯周病になりやすい理由

犬の唾液はアルカリ性だから!

前述したように犬の唾液がアルカリ性であるために、歯垢が石灰化して「歯石」に変わりやすくなっています。

食後24時間以内に歯垢がたまり始め、それがたった3~5日で歯石に変化してしまうのです。

犬の歯周病とは

歯周病は、歯に歯垢が蓄積することで発症します。

歯垢によって歯肉に炎症がおこった状態を歯肉炎といい、その炎症が進行して歯を支えている歯周組織が破壊されて痛みが出るようになると歯周炎となります。

この歯肉炎と歯周炎をあわせて歯周病とよびます。

ではこの歯周病はどのような症状が現れるのでしょうか。

犬の歯周病の症状

こんなサインに注意!
  • 口臭が強くなる
  • よだれの量が増える
  • 歯が茶色くなる
  • 食事に時間がかかる
  • 歯が長くなったように見える
  • 歯茎から出血している

このようなサインを放置し、歯周病が進行すると歯槽骨(歯を支えている顎の骨)がどんどん溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまったり、ひどい時には下顎が骨折してしまうこともあります。

また、治療が遅れると口腔内の細菌が血液を通して全身に運ばれ、心臓病や腎臓病を引き起こすこともあるのです。

歯周病は3歳以上の犬の約8割がかかっているといわれるほどとても多い病気です。

日頃から犬の口の中や様子をチェックしサインを見逃さないようにしましょう。

犬の歯周病は歯磨きで予防できる!

進行すると全身に悪影響を及ぼす歯周病。治療にも麻酔を使用するなど犬の体に大きな負担をかけてしまいます。

愛犬が歯周病にならないように飼い主さんの手でしっかり予防しましょう。

歯周病予防で重要なのは日々の口腔ケアです。

中でも歯ブラシを使った歯磨きが一番効果的ですが、思うようにさせてくれず困っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そんな歯磨きが苦手な犬でも毎日すこしづつ慣れさせてあげれば、ケアをさせてくれるようになります。

焦らず一つ一つステップアップしていきましょう。

犬の歯磨きに大切な4つのステップ

口元をさわる

犬が落ち着ける場所でやさしく声をかけながら、口元をさわってみましょう。

口元を少しでもさわらせてくれたら、おやつなどのご褒美を与えてください。

歯や歯茎をさわる

口元を触られることに慣れてきたら、唇をそっとめくり指入れてみましょう。

指にガーゼや歯磨きシートを巻き、歯や歯茎をさわらせてくれたら褒めてあげてください。

歯ブラシに慣れさせる

口の中を指でさわらせてくれるようになったら、歯ブラシをやさしく口に入れます。

はじめは歯ブラシを歯にあてるだけにし、徐々に歯ブラシを動かしてみましょう。

歯磨き粉をつけてみがく

歯ブラシに慣れてきたら歯磨き粉をつけて歯と歯茎の間をみがいてみましょう。

嫌がらなければ歯ブラシを細かく動かし、外側から内側へとゆっくり磨いていきます。

歯石がつきやすい歯

犬歯、臼歯は歯石になりやすい場所なので、きちんと磨きましょう。とくに第4前臼歯は念入りにみがきましょう。近くに唾液の出る場所があり、唾液中のカルシウムが沈着して歯石がつきやすい箇所です。

犬 歯垢が付きやすい歯
犬の歯をみがくときのポイント
  • おやつなどのご褒美を活用する
  • 無理強いしない
  • 長時間しない
  • 口を無理やりあけない
  • 痛みや出血があるときはやめておく
  • 歯と歯茎の間をみがく
  • 人間用の歯磨き粉はNG

犬の歯磨きは毎日してあげるのが理想ですが、難しい場合は最低でも3日に1回の頻度で行いましょう。大切なのは継続することです。

飼い主さんも焦らずに、気持ちに余裕をもっておこなうようにしてください。

「えらいね」「じょうずにできたね」って犬をたくさん褒め、歯磨きが散歩やごはんと同じように楽しい時間になるようにしましょう。

歯磨きが苦手な犬へおすすめのアイテム

犬の歯周病予防には歯磨きが最適ですが、時には飼い主さんの負担になることもあるでしょう。

また子犬や老犬ではストレスで体調を崩すかもしれません。

最近では犬のデンタルケアに関する便利なアイテムがたくさんあります。愛犬が嫌がらないものを探し歯ブラシと併用するのもおすすめです。

歯磨きガム

犬の歯は意外ともろく、硬いものを噛むと臼歯が割れたり犬歯が欠けたりしやすいのです。ガムは素材が繊維状で、噛むたびに歯の表面がこすれるものが効果的です。

歯磨きシート

指に巻き付けて使用するシートタイプは歯ブラシよりも力加減しやすく、歯茎を傷つける心配がありません。

歯磨きおもちゃ

楽しく遊びながら歯垢を落とせるおもちゃならストレスなくケアができますね。

万が一かみ砕いて飲み込んでしまっても安全な素材でできたものを選んでおくと安心です。

デンタルパウダー

毎日のフードにふりかけるだけで手軽にケアができます。犬が好む味のものを選びましょう。

歯磨きジェル

指につけて舐めさせるだけで簡単にケアができます。

ジェル歯磨きには乳酸菌が含まれているものもあり、ジェルを飲み込んでしまっても腸内環境を整える効果が得られるという利点もあります。

犬の歯も人間と同様、健康に生活をするために欠かせない体の一部です。犬にとって嚙んで食べることは脳への刺激になり老犬の痴呆対策にもつながります。

子犬のころから楽しく歯磨きができるよう習慣づけていきましょう。