犬のアレルギー検査の費用は?実際に検査をしてわかったこと

犬のアレルギー検査の費用

犬を飼っている方々にとって、愛犬の健康は何よりも大切なことですよね。中でも、犬のアレルギーは飼い主さんにとって心配な要素の一つかもしれません。

犬のアレルギー検査を検討しているけれど費用や検査の内容が気になる飼い主さんも多いと思います。

そこで今回は、実際に私の愛犬がアレルギー検査を受けた経験から、検査の費用や種類、そして得られた結果などアレルギー検査を検討されている方の参考になる情報を紹介します。

愛犬がアレルギー検査を受けることになった経緯

愛犬マロ

私の愛犬(トイプードル)は2歳を過ぎた頃から頻繁に顔回りを掻くようになりました。

よく見ると口元や目の周り、耳の中が赤くなっており「もしかしてアレルギー?」と思い動物病院を受診しました。

血液検査でアレルギーの数値が高かった

動物病院では皮膚の状態の確認や耳垢の検査、血液検査など色々な検査をしてもらいました。

すると、血液検査ではアレルギー性疾患を示す数値が高いことが分かりました。

また、耳からマラセチアも見つかったことで、何らかのアレルギーが疑われるとの診断でした。

マラセチアとは?

マラセチアとは酵母様真菌(カビの一種)で、健康な動物の皮膚や耳道などに常在しています。しかし、アトピーや食物アレルギーなどが原因で皮膚に問題が生じるとマラセチアが異常に増殖して皮膚炎を起こすことがあります。

アレルギー対策を行ってみたけど改善しない

アレルギーが疑われるとのことでしたが、すぐにアレルギー検査とはならず、まずは以下のようなアレルギー対策を提案されました。

  • 除去食:アレルギーが出やすい食材を使わない
  • 愛犬の食器を陶器かガラス製に変更する:プラスチック製はアレルギーが出ることも
  • ハウスダストの除去
  • 犬のベッドや毛布を洗う

これらのことを行いながら4週間程度様子をみてみましたが、改善されないためアレルギー検査をすることとなりました。 

アレルギー検査の種類

アレルギー検査当日はいつも通りご飯を食べさせて病院に連れて行きました。

検査は基本採血だけです。

マロ
マロ

いつもよりたくさん血をとられたよ‥

愛犬が受けたアレルギー検査は「IgE検査」と「リンパ球反応検査」の2種類です。

IgE検査とは

IgE検査とは、ハウスダストや花粉といった環境中のアレルゲンを特定するために行われます。

IgEは免疫グロブリンの一種で、花粉症、気管支ぜんそく、アトピーなどのⅠ型アレルギーと呼ばれるアレルギー反応に最も深く関わっています。(免疫グロブリンとは、異物が体内に入った時に排除するように働く「抗体」の機能を持つタンパク質のこと

IgEは、それぞれのアレルゲンに対して特異的に作られ、アレルギー反応を起こします。

例えば、アレルゲンが卵白であれば卵白に反応するIgE、ダニであればダニに反応するIgEが産生されます。

この特徴を利用し、何の物質に対するIgEが増えているかを調べることで、アレルゲンとなっている物質を特定するのが、アレルゲン特異的IgE検査です。

マロ
マロ

Ⅰ型アレルギーは即時型アレルギーともいわれているよ。アレルゲンが体内に入ってきてから発症するまでの時間が15分くらいと短いのが特徴だよ。

リンパ球反応検査とは

アレルギーには、IgEが関与するⅠ型アレルギーとリンパ球が反応するⅣ型アレルギーがあります。そのためIgE検査だけでは、すべてのアレルギー症例を見つけることができません。

犬の食物アレルギーでは、IgEよりもリンパ球が関わる場合が多いといわれています。

この検査では、血液から分離させたリンパ球を各種の食物タンパクと反応させ、このときのリンパ球の数を測定することで、アレルゲンとなっている食物を特定します。

マロ
マロ

Ⅳ型アレルギーは遅延型アレルギーともいわれているよ。アレルゲンが体内に入って反応が完了するまで24時間から48時間程度かかるのが特徴だよ。

YUKI
YUKI

少し難しいお話だったけれど、IgE検査は花粉やハウスダストなどの接触性アレルギー、リンパ球反応検査は食物アレルギーを調べる検査なのですね。

アレルギー検査の結果

アレルギー検査の結果は採血から2週間ほどでわかりました。

獣医さんから検査結果の説明と今後の治療方針を考えましょう!とのことで病院へいってみることに。

アレルギー検査の結果

まずIgE検査の結果です。

検査機関によって違いがあると思いますが、今回実施されたIgE検査の検査項目は94種類。

一度にこれだけのアレルゲンを検査してくれます。

検査の結果は卵白に低い陽性が認められたくらいで、他はすべて陰性でした。

次は食物アレルギーを調べるリンパ球反応検査の結果です。

IgE検査では低い陽性となっていた卵白ですが、リンパ球反応検査では陰性でした。

そして、全て陰性の範囲ではありますが「牛肉」「小麦」「トウモロコシ」「米」が0.4%以上でした。

この0.4から1.1%は「食物アレルゲンに反応するリンパ球が増え始めており、アレルギー症状を出しやすい犬では発症に関連することがある」とのことなので、気をつけたい食材だということが分かりました。

マロ
マロ

心配な食材はあるけど、食べられるものがたくさんあってよかったぁ!

アレルギー検査の費用

今回アレルギー検査にかかった費用を紹介します。

IgE検査とリンパ球反応検査あわせて63,000でした!(それぞれの検査料が分かりませんでした。すみません‥)

YUKI
YUKI

アレルギー検査は高額と聞いてはいましたが、やっぱり高かった‥

それに費用は検査料だけではなく、検査に必要な診察料や採血料もかかります。合わせると約68,000円でした。

アレルギー検査はペット保険が使える

アレルギー検査は高額ですが、病気の診断のためのアレルギー検査の場合はペット保険が使えます。

幸い私もペット保険に加入していたので、実際支払った金額は10,000円ほどですみました。(診察料や採血料も保険適用でした。)※この金額は私が加入している保険のプランなので、金額はそれぞれの保険によって変わります。あくまでも目安として参考にしてください。

アレルギー検査を受けてわかったこと

今回アレルギー検査を受けてみて、愛犬がかゆがる原因や皮膚の赤みの原因を知ることはできませんでしたが、私は検査を受けて良かったと思っています。

検査結果が出るまでは、何が愛犬のアレルギーを引き起こしているのかわからないため、全ての食材やハウスダスト、花粉、菌などに気を使いながら生活していました。

検査項目がほとんど陰性ということは、アレルギーの原因となるものも少ないことがわかり、気持ちが楽になりました。

ごはんを安心して与えられる

私の愛犬はドッグフードが苦手なため、手作りご飯を与えています。

今までは使う食材一つ一つにアレルギーが出るのではないかと心配しながら作っていましたが、これからは色々な食材を使ってご飯を作ることができます。

それに今回注意が必要な食材が分かったので、それらを除いて作ることもできます。

また、ドッグフードを食べている犬に食物アレルギーがある場合、原因となる食物が入っていないドッグフードを選ぶのは大変だと思います。

その場合、検査機関よりその子に与えても大丈夫なドッグフードのリストが付いてくるので、その中から選ぶこともできます。

今後の治療計画がたてやすい

アレルギー検査を受け、アレルギーの原因物質を知ることで、今後の治療がスムーズに進みます。それにアレルギー治療の近道にもなります。

私の愛犬は今回のアレルギー検査の項目で陽性と特定されたものが無かったため、かゆみや皮膚症状の治療として抗真菌剤を服用しながら様子をみていくことになりました。(マラセチアの治療)

また、家庭でも掃除をこまめにしたり、愛犬のスキンケアをしっかりおこなっていこうと思います。

そして食事の管理にも気をつけて、食べた食材や排泄物の状態、症状などを記録するようにし、次回の診察に役立てていこうと思います。

おわりに

犬のアレルギー検査は高額ではありますが、愛犬のアレルギーの原因を知るひとつの目安になります。

愛犬のアレルギー症状がなかなか改善されず、何が原因なのだろうと悩んでおられる飼い主さんは、検査を受けてみるのもいいかもしれませんね。